化粧水で逆に乾燥する理由は!

乾燥

化粧水で乾燥する理由とは

冬のお肌が乾燥するのは仕方のないこと。

乾燥

冬って雪も降るし、結露もするのに、なんで空気は乾燥しているの?と自分も不思議に思っていました。実はそれは科学的に考えるとわかる話で、冷たい空気は、暖かい空気と比べて水蒸気を含むことのできる量が少ないから、なんです。

夏場、例えば気温が30度の場合、空気が含むことのできる水蒸気の最大量は、1立方メートルあたり、30g、一方、気温の低い冬場、10度の空気が含むことのできる水蒸気の量は9gしかないんですね。それ以上は、水蒸気は水に変わってしまうため、気温の低い冬場では、気体で存在する水蒸気よりも、液体で存在する水のほうが比率が高くなってしまう、そのため、冬の空気は乾燥する、というわけです。

みなさんうるおいのある肌を保つため、化粧水をつけて肌を守っているかと思いますが、化粧水をつけただけでは肌を乾燥させてしまうという話もよく耳にするようになりました。

今回は、化粧水の役割と、それだけでは肌を乾燥させてしまうという理由の、根拠と信憑性について解説していきます。

目次

  1. 化粧水の成分
    1-1. 保湿するということの意味
    1-2. 保湿成分に栄養素としての意味は無い
  2. 化粧水が肌を乾燥させる
    2-1. 保湿成分が肌から水分を奪う?
    2-2. 過乾燥
  3. 美容液や化粧水の正しい使い方

化粧水の成分

化粧水の成分は水が80%、溶剤としてアルコールが10%、そして保湿成分(グリセリン、アミノ酸、ビタミンなど)が数%です。

ほとんど水ですね。当然ながら水は保湿しません。乾くのみです。そしてアルコールまで含まれていれば、それだけで肌を乾燥させてしまいそうですね。

また、残りの数%は保湿成分に乗じて香料やら防腐剤も含まれています。そうまでして使用するメリットはあるのでしょうか。

保湿するということの意味

どんな液体を塗ってもいつかは乾燥してしまいます。肌は水をあげたらあげただけその分貯めこむことのできるスポンジではありません。

本当の意味での保湿とは、内側からくる水分をちゃんと肌へと供給する機能を正常化することと、それを蒸発させない油膜を作ることです。

化粧水や美容液で効果を期待できるのはあくまで後者、油膜を作ることのみとなります。なぜなら保湿成分として知られるヒアルロン酸やコラーゲンは、分子量が大きいため肌からは吸収されず、本来いるべき真皮までたどり着くことが無いからです。

また、もしたどりついたとしても、肌が独自に作り出している保湿成分の組織に組み込まれて、同じ機能を果たすかといえば、考えずらい話です。

保湿成分に栄養素としての意味は無い

ヒアルロン酸やコラーゲンは本来、肌の真皮層という皮膚の一番深い位置に分布しています。

肌から塗布することでここまで成分が届くことはまずありません。これらが化粧水に含まれるのは真皮までその成分を届けることではなく、単純に保湿力の高いそれらの成分を、肌の一番外側、角質層の保湿剤として使っているだけになります。

そこで注目されているのがセラミド、これは角質層、細胞間脂質の構成物質の一つです。近年はこれがコラーゲンやヒアルロン酸に変わって肌を健康に保つと注目されています。

ただ、これも外部から塗布することによってどれだけ吸収されるものなのかは科学的根拠に乏しく、一部の統計的データしか見つけられませんでした。

保湿成分それぞれ役割についてはまずはこちらの記事で解説していますので、より詳しい情報が知りたい方はぜひ一度目を通してみてください。

化粧水が肌を乾燥させる

化粧水で逆に肌が乾燥するというのはよく耳にしますが、これは本当でしょうか。その根拠とされるのが、保湿成分が肌から水分を奪ってしまう、という理屈と、過乾燥によって保湿前よりも乾燥してしまうというものです。その理屈と信憑性について見てみましょう。

保湿成分が肌から水分を奪う?

たとえばグリセリン、これも保湿の用途で使われる成分ですね。グリセリンは周りにある水分を集めて保湿するもので、外気が乾燥していると逆に肌から水分を吸収してしまう可能性があると言われています。

ともすればほかの保湿成分も理屈は同じ、ヒアルロン酸やコラーゲンの保湿能力が高いのは事実です。しかしこれは真皮のなかにあればこそ。

これは何かで実験されたものではありませんが、理屈では肌から水分を奪ってしまうというのは筋の通ったものであり、否定的な情報もあまり見かけません。

化粧水とはよく言ったもので、もしかするとあなたの肌のうるおいは、潤った角質に触れているのではなく、角質から水分を奪って湿ったコラーゲンやヒアルロン酸に触れているだけかもしれません。

過乾燥

過乾燥という言葉を聞いたことあるでしょうか。湿ったものが乾いた後は、湿らせる前よりも乾いた状態になる、これを過乾燥と呼んだりしますね。

紙を濡らして乾かすと、濡らす前より乾燥してパリパリになる、これと同じことが肌でも起きている、という話が例に出されます。

ですが、「過乾燥」、この言葉は実は辞書にはありません。使うとしても本来は単純に乾かしすぎ、の意味で用いる言葉です。

湿らせたものを乾かすと、湿らせる前より乾燥するというのは、科学的にもわからない話です。紙がパリッとするのは繊維が膨張し、それが乾き収縮するときに変形するためであり、肌とは関係ありません。

お風呂上りや洗顔後に肌が乾燥するのは過乾燥ではなく、油分の洗い落としたことによるものです。洗顔後に乾燥を感じるのであれば、朝の洗顔は洗顔フォームは使わずぬるま湯だけにするのがお勧めです。自分も乾燥する冬場はその方法で肌の調子を保っていますが、ニキビなどもできませんし、乾燥による肌あれも大幅に少なくなりました。

美容液や化粧水の正しい使い方

化粧水には使用目的によって、多少リスクもあることは理解できたかと思います。乾燥のリスクをカバーするために、乳液や収れん化粧水といった付随するアイテムを使っているわけですが、最後にそれぞれの正しい仕様順序をおさらいしてみましょう。

  1. 化粧水
  2. 美容液
  3. 収れん化粧水・乳液・クリーム

化粧水は保湿の意味もありますが、美容液を浸透させるためにつける意味もあります。美容液は好みに応じて、保湿成分を多く含む質の良い化粧水を使っているのであれば美容液はつけなくとも良いですね。

3は基本的には、収れん化粧水 →乳液 →クリームの順ですが、ものによって順番が異なります。

というのも、乳液、クリームは肌に有効成分を届ける意味と、油膜を作り水分を閉じ込める意味と2つの用途があります。その2つの目的をはたすものもあれば、どちらか1方のみのものもあります。

そして収れん化粧水というのはメントールなどでお肌を引き締める、つまり美容液を含んだ肌の毛穴を引き締め、フタをする目的で使います。

そのため、乳液やクリームに美容成分を含むのであれば、収れん化粧水を先に使ってフタをしてしまってはまずいわけですね。

逆に美容成分よりも油膜を貼ることをメインとして用いる乳液やクリームであれば、収れん化粧水でフタをしてから油膜を張ってあげるのがベストです。

資生堂は化粧水 →乳液 →収れん化粧水 →クリーム 

を推奨しています。これは乳液は美容成分を含み、クリームは油膜を張ることをメインに用いているということですね。

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