呼吸はなぜ重要か!種類別にみる呼吸の意味と心との関係

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呼吸法と心のコントロール

ヒトが生まれてから寝てる時も起きているときもしていること、それが呼吸です。

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この呼吸というものは、無意識のうちにやっていることですが、何かスポーツなどで身体的に最大限の力を発揮したいとき、雑念を振り払って一つのことに集中したい時などにも注目されますね。

逆に、精神が乱れたり、妙に落ち着いたりするときには、息が荒くなったり静まったりと、今度は心の状態が呼吸に反映されます。

今回はこの当たり前にやっているようで実は体の能力に深く関わる呼吸について取り上げてみます。

目次

  1. 呼吸法
  2. 東洋医学と呼吸法
    2-1. 東洋医学の呼吸、丹田呼吸法
  3. ストレスと呼吸
  4. 鼻から吸う呼吸
  5. 肺疾患から見る呼吸の意義
  6. 筋力トレーニングの呼吸
  7. 武道と呼吸
    6-1. 息吹(いぶき)
  8. ラマーズ法
  9. まとめ

呼吸法

呼吸法には胸式、腹式とあります。発声については腹式呼吸が基本とされていますね。気功やヨガなどでは逆腹式呼吸が取り入れられています(後述しますね)。

東洋医学と呼吸法

呼吸は西洋医学では際立って取りざたされることのない分野です。それは、影響を数値化することが難しく、病気との関連性についても説明がつきずらいためです。

一方で東洋医学は経験的、統計的に積み重ねてきた理論であり、呼吸についても体の症状を示す重要な手掛かりの一つとしてとらえられています。

東洋医学の呼吸、丹田呼吸法

丹田とは、東洋医学でも特に重視される箇所です。東洋医学には気の概念がありますが、その気を練り、作り出すカ所が丹田と言われています。

ヨガ、気功、武道、禅と東洋医学の影響を受けている分野において、丹田呼吸法という逆腹式呼吸が基本とされています。

逆腹式呼吸は腹式呼吸の反対の動きをします。息を吐くときにお腹を膨らませ、その返る力で自然に息を吸うというものです。

丹田のことを日本的にヘソ下三寸なんて言ったりしますが、寸法で三寸というと9cmくらいになってしまいます。これは骨度法というその人その人の骨の長さを用いた尺度なので位置的にはだいぶ違います。

丹田はヘソ下3cm~5cmあたりと認識しておくと良いでしょう。

このヘソ下3cm~5cm、どこを指しているかわかりますか?これはそのまま腸の場所を指しています。

腸は栄養を吸収するという意味において体で一番大切な個所であり、腸を健康にすることで体に様々な恩恵を受けられることはよく知られていますが、

呼吸法において、気、意識を集中させる丹田が腸に位置していることは何か繋がりがあるかもしれませね。

ストレスと呼吸

何秒間で息を吸って何秒間で息を吐くというのは、整体だったり禅だったり、スポーツだったりでそれぞれ何秒がよいというのは異なるようです。

自身では6秒呼吸を実践していますが、とくに秒数にどれがいいということに差は無いかもしれません。

呼吸法で大切なのはその質よりも、呼吸に目を向ける、呼吸を意識すること自体にあります。

ヒトには自律神経と言って、興奮、鎮静をコントロールし、発汗、睡眠、消化、動悸、呼吸のオン、オフを切り替える神経があります。呼吸も自律神経によって指示が出される機能の一つです。

ストレスを受ければ興奮に傾き、呼吸が荒くなったり、発汗促進、消化不良、動悸促進、といった影響が見られ、これらは無意識に起こります。

呼吸法とは、普段は意識の外にある呼吸を意図して落ち着かせることで、逆に自律神経に働きかけ、体の状態を整えようとしているわけです。

鼻から吸う呼吸

本来呼吸とは鼻でするもの、口はものを食べる器官です。この2つはなぜつながっているのでしょう。答えはシンプルで、鼻の機能がうまく働かないときに呼吸するために予備として口呼吸があるわけですね。

しかし、あくまで予備、口呼吸では鼻呼吸ほど細菌やウィルスをブロックすることができません。

同様に耳は気圧調整のために喉と繋がっていますし、目は涙の排出のために鼻と繋がっています。泣くと鼻水も一緒に出てしまうのはこのためですね。

本来呼吸とは鼻から息を吸うもの、ということは呼吸の基礎として覚えておくとよいでしょう。

肺疾患から見る呼吸の意義

慢性的肺疾患(COPD)は肺の炎症であり、喫煙などによるダメージから肺胞が破壊され、酸素を吸収する能力、二酸化炭素を排出する能力が、慢性的に低くなります。

また、人が息を吐くときは、肺を縮めて内圧を上げ、それにより空気を外に出しています。

しかしCOPDの患者さんは肺を縮めて内圧を上げたときに肺の中の気管支が閉じてしまい、うまく息を吐くことができません。

息を正常に十分に吐ききれていなければ、次に吸うことのできる新鮮な空気の量が少なくなってしまいます。

そんな時、COPDの呼吸法として、口すぼめ呼吸が教えられますが、長く細い息は杯の内圧を挙げずに息を吐ききる有効な方法であるのです。

このように時に息を吐くことはリスクを伴うものであり、都合質の良い呼吸のために、吸うことよりも吐くことに重点が置かれることが多いですね。

筋力トレーニングの呼吸

筋力トレーニングは体に負荷をかけ筋肉を壊し、新しい強い筋肉を作るために行います。筋肉に負荷をかけるには瞬発的に最大限の力を発揮する必要があります。

筋肉トレーニングでは息を吐きながら行うことが基本とされています。が、最もヒトが力を発揮するのは息を止めているときで、息を止めて力を出す方法を怒責(どせき)といいます。

腕相撲などするとみんな無意識に息を止めますね。体はその状態が力を発揮できることをすでに知っているのです。

しかしそのとき腕や額に血管が浮き出ているのを見たことがあると思います、怒責は力を発揮する代わりに血圧は跳ね上がり、体に負担をかけすぎます。そのため、筋力トレーニングでは息を吐きながら行う方法が推奨されているのです。

武道と呼吸

スポーツだけでなく格闘技にも呼吸法は多数存在します。その中でも特に精神統一を前提として行う武道については呼吸は基礎の一つとして取り入れられることが多くあります。

自分が注目しているのは空手の呼吸法、息吹(いぶき)です。

息吹(いぶき)

息吹は空手の組合で激しく動き息が乱れた時に元の呼吸へと整えるための方法で、息を完全に吐ききることによって息を整えます。

息が苦しい時には酸素を取り込みたいわけですが、激し呼吸はCOPDのように、肺を縮めたときの内圧で気管支が閉じてしまい、うまく息を吐けないというリスクを伴います。

このとき、息はただ吐くだけでなく長く長くゆっくりと吐きます。さらに「コォォ…」と小さく声を出しながら吐くことで、吐ききったさらに残りの空気まで外に出すことができます。

これをやると、やっている最中は息切れしている状態でさらに吐くわけですからとても苦しいのですが、長く吐ききったところで息を吸うことで、息が乱れる前の呼吸を強制的に少し取戻し、息を整えることができます。

原理は口すぼめ呼吸と似ていますね。息吹によって効率的に息を吐き一度呼吸をリセットし、次の新しい空気を多く吸い込む元の呼吸を取り戻そうとしているのです。

ラマーズ法

出産でおなじみラマーズ法も呼吸法の一種ですね。これは無痛分娩法、呼吸によって痛みをコントロールしようとしているものです。

男性の方は勘違いされている人も多いかと思いますが、おなじみの「ひっひっふ~」という息遣い、これはすべて吐く息の擬音です。

基本は鼻から吸って口から吐く胸式呼吸、痛みの段階に応じて呼吸の仕方が変わります。

  1. 鼻から吸って口から吐く胸式呼吸
  2. 痛みで呼吸が乱れ始めたら「ひっふ~」のリズムで息を吐く
  3. 陣痛のピークには「ひっひっふ~」のリズムで息を吐く
  4. 子宮口が完全に開ききって赤ちゃんを出すときには、「はっはっは」という短い呼吸といきみ(怒責)を交互に繰り返す
  5. 頭が出てきたらいきまずに力を抜き「ふ~ふ~」と長く呼吸する

力をいれるときも抜くときもどちらも呼吸は大切にされており、段階によってその呼吸のしかたも違っています。

まとめ

筆者もスポーツ中に息を整えるときにはよく息吹を使いますし、イライラしたり精神が落ち着かない時には6秒呼吸を取り入れています。

気功で大切なのは気を散らさないこと、つまりストレスをかけないことです。最初から細かいことは意識せず、鼻から吸って口から吐く程度のことから始めると良いでしょう。

息吹や●秒呼吸、丹田呼吸法を実際に試してみて、その時実感できたことこそが、本当の意味での呼吸法の習得につながるはず。

何度か試しているうちに、呼吸が乱れると自然と、「あ、そういえばこんな時は呼吸法だな」と頭の中に浮かんでくるようになりますよ。

 

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コメント

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  1. 2017年 5月 07日
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