脂質・炭水化物・タンパク質、一番太る栄養素はどれ?科学的に考える、太る理由

バランスの良い食事

肥満の原因は炭水化物、タンパク質、それとも脂質?

私たちの体をつくる大切な栄養素。栄養素の名前は知っているけれど、実際体の中でどんな役割をしているの?

バランスの良い食事

栄養素の中でも、血や肉となる栄養素、これらはみなさんの悩みのタネ、美容や肥満に直結してくる問題です。

今回は、この体をつくる栄養素について着目し、特にそれらがエネルギーとしてどのように使われているか、1つ1つ整理して考えてみます。

※前半は栄養素の解説となっております。なぜ太るの?といったエネルギー消費については目次 5.の「 3大栄養素のエネルギー代謝」からお読みください。

目次

  1. 3大栄養素って?

  2. 炭水化物 ~体を動かすエネルギーとなる~
    2-1. 炭水化物とは 糖質+食物繊維
    2-2. 糖質と甘味
    2-3. 炭水化物の役割

  3. タンパク質 ~血や肉となる~
    3-1. タンパク質はアミノ酸の化合物
    3-2. タンパク質を含む食材
    3-3. タンパク質の役割

  4. 脂質 ~体の調子を整える~
    4-1. 脂質の役割
    4-2. 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
    4-3. オメガ3

  5. 3大栄養素のエネルギー代謝

  6. 無酸素運動でのエネルギー消費
    6-1. 糖の保存場所
    6-2. 糖が尽きると? ~糖新生~
    6-3. 糖が余ると?
    6-4. ご飯を食べてもすぐにおなかが空いてしまう

  7. 有酸素運動でのエネルギー消費
    7-1. 有酸素運動で中性脂肪を消費する

  8. 理想的なエネルギー消費

3大栄養素って?

炭水化物、タンパク質、脂質、これらは3大栄養素と言われますが、これらは体を動かすエネルギーとなる栄養素です。

炭水化物1gあたり4kcal、タンパク質は4kcal、脂質は9kcalのエネルギーを作り出します。実はタンパク質も脂質もエネルギー源となっているのですね。

ここからビタミンとミネラルを加えたものが5大栄養素と言われます。ミネラルは無機的栄養素、ビタミンは有機的栄養素のうち、炭水化物、タンパク質、脂質以外のものを指します。ビタミンは野菜や果物の栄養素なんだと思われがちですが、肉や魚にも含まれる、意外と広義な栄養素なのです。

炭水化物 ~体を動かすエネルギーとなる~

学校では炭水化物を主にエネルギー源だとお伝えしていたかと思います。

さらにいうのであれば1次的なエネルギー源であるということができるでしょう。

運動には有酸素運動と無酸素運動があります。エネルギー消費については詳しくは後述しますが、無酸素運動のような即効性のあるエネルギーを必要とする場合は、この炭水化物によるエネルギーが主に使われることとなります。

炭水化物とは 糖質+食物繊維

炭水化物、これはつまり糖質です。正確には炭水化物は糖質+食物繊維ですが、食物繊維はあまり消化されず、エネルギー源としても微量であるため、今回は省略して説明していきます。

糖質と甘味

糖と言えば甘い砂糖をイメージする方も多いかと思いますが、炭水化物で有名なご飯やパン、ジャガイモなどはそんなに甘いとは感じませんね。

これらは主に糖質のなかまのでんぷんを成分としているためなんですが、なぜでんぷんが甘く感じないかというと、砂糖(ショ糖)などと比べてでんぷんは1つの分子が非常に大きいのです。

人が「甘い」と感じるのは舌にある味蕾という受容体に糖質がくっつくとそれに反応して脳に電気信号が送られ、甘いと感じるようにできています。

しかしでんぷんは一つの分子が大きいために、その量の割に受容体に触れられる個所は狭い部分しかないのです。そのため同じ糖でも甘く感じることが少ないということですね。

ご飯を噛んでいると甘くなるのは、このでんぷんを唾液が分解し、もっと小さい分子の糖にしてくれるからなんですね。

炭水化物の役割

炭水化物のもっとも大きな役割は血糖値を上昇させることです。糖は血液にのって各所に届けられ、筋肉に備蓄されていきます。

そして体を動かす燃料として使用されますが、このように体を動かすエネルギーを作り出す方法は糖によるもの以外にもう一つ、有酸素運動で主に使われる経路があり、脂肪やたんぱく質はこちらの経路で使われていきます。

しかし脳はこの糖によるエネルギーのみを原動力としています。これは脳内の血管はものすごく細いので、分子の小さいブドウ糖しか供給できないためす。

脳が疲れたら甘いものを食べようと言われるのはこのためですね。

タンパク質 ~血や肉となる~

体をつくる材料となる栄養素ですね。タンパク質には実は2通りの役割があり、筋肉などを形作るものを構造タンパク質、栄養素の運搬などの役割を果たすものを機能タンパク質と呼びます。

人の体は水が60%、タンパク質が18%、脂質が18%、ミネラルその他が4%で構成されています。

人体を構成する栄養素

脂質はそれ自体が生命維持にかかわる物質としての役割は少ないので、この18%のタンパク質がまさに人を肉付け部分を作っていると言えますね。

タンパク質はアミノ酸の化合物

炭水化物が糖ならば、タンパク質とはアミノ酸です。

タンパク質は、消化管を通って消化され、アミノ酸として吸収されます。そして改めて各所に必要なタンパク質として合成されていきます。

アミノ酸自体、何十と種類があるのですが、人体を構成するタンパク質となるのはそのうち20種類程度と言われています。体内では合成できないものは必須アミノ酸と呼ばれ、これは食事によって直接摂取するしかありません。

アミノ酸はサプリメントとしてもよく見かけますが、ちゃんと20種類バランスよく配合されているか、必須アミノ酸をカバーできているか、というところに注目すると良さそうですね。

タンパク質を含む食材

タンパク質を多く含む食材は肉類、魚介、チーズなどの乳製品、豆類、イモ類などです。しかし肉や魚を100g食べたとして、そこに含まれるたんぱく質はそのうち20g程度しかありません。

厚労省による食事摂取基準では、1日に必要なタンパク質の目安は、男性で60g、女性で50gとされています。

  • ごはん朝昼晩 …15g(1杯 7.5g)
  • 鮭一切れ …15g
  • たまご1コ …8g
  • 問のから揚げ …14g

これだけで60gを満たすので、普通の食事をしていれば不足することはありません。

意識したいのは動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂るということ。

動物性タンパク質は、私たち人間も動物ですから、同じように体を構成するアミノ酸を多く含みます。必須アミノ酸の含有量も多いですが、飽和脂肪酸など摂取過多になりがちな脂質なども多く含んでいます。

一方、大豆などの植物性タンパク質は脂質が非常に少なく、ヘルシーにタンパク質を摂取することができます。

どちらも摂取するアミノ酸の種類が違いますし、それぞれメリットデメリットがありますので、どちらが良いというわけではなくバランスよく摂ることが重要となります。

タンパク質の役割

タンパク質の体での役割は非常に多様です。

体の形を成す構造タンパク質はもちろんのこと、何かと結合して栄養素を運んだり、栄養素を貯蔵するタンパク質もあります。酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンもタンパク質ですね。

脂質 ~体の調子を整える~

さぁ、やっと肥満の原因となる一番の容疑者が出てきました。

炭水化物は糖質、タンパク質はアミノ酸、では脂質はというと、脂肪酸、そのままですね。

かの有名なコレステロールは、脂質が栄養素として必要な場所へ届けられるために、タンパク質と結合して血液を通れる状態になったものを言います。

脳内の神経・伝達機能をコントロールし、脳の働きを活発にする、DHAも脂質の仲間です。

脂質の役割

脂質は1gあたり9kcalもの熱量を生み出します。炭水化物、タンパク質の2倍以上ですね。

脂質は非常用のエネルギーとして脂肪となり体に備蓄されますが、グリセロール(グリセリンと同義:アルコールの仲間)と結合して中性脂肪の形で保存されていきます。

また、ヒトの成分は60%が水分でできていますから、細胞・神経・骨・皮膚、各所で油膜として水を分離する重要な役割もはたします。皮膚は、脂質とその他の組織がうまい具合に層を成しているために、とても強いバリア機能を備えているのです。

他にも脂質はその特徴を利用して、ホルモンの材料となったり脂溶性のビタミン、AやEなどの吸収を高めたりと、タンパク質同様多種多様な役割をもつ栄養素です。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

よく、油を摂るなら常温で液体の油を!と言われます。油にもいくつかの種類があり、その性質も変わってきます。

  • 飽和脂肪酸…動物性の油に多く含まれる。常温で個体。
  • 不飽和脂肪酸…植物性の油に多く含まれる。常温で液体。

油は体にとって必要なものなのでどれが悪いということもないのですが、現代では肉などの油を過剰に摂取しすぎているため、不飽和脂肪酸を取ろうと言われています。

しかし、不飽和脂肪酸の中でも、オリーブオイルやごま油といった一般的な調理油についてはすでに過剰摂取となっています。

これらの油はさらにオメガ6やオメガ9として区分されるのですが、不足しているのは不飽和脂肪酸の中でもオメガ3なのです。

健康に気を付けて油を摂ろう!とと考えるのであれば、単に常温で液体の油、というわけではなく、オメガ3の油を摂取するよう意識ことが大切です。

オメガ3

オメガ3とかオメガ6とか、これってどういう分類なの?と問われれば、多価不飽和脂肪酸の2重結合が3番目の位置にある…といっても難しいかと思いますが、要は脂肪酸の結合の形で区分されています。

DHAとかEPA、リノレン酸が有名ですが、中性脂肪を低下させ、高血圧や心疾患、脳卒中を予防すると言われています。

オメガ3は今ある健康法の中では臨床試験も比較的多く行われている方法です。循環器系から認知症とその効果も幅広いです。

3大栄養素のエネルギー代謝

さて、エネルギーを生み出す3大栄養素、炭水化物、タンパク質、脂質について解説してきましたが、ここからは、各栄養素がどのようにして消費されていくのかを見ていきます。

エネルギーの生み出し方は大きく分けて2つ、解糖系とクエン酸回路(TCA回路)があります。

聞きなれない言葉かと思いますが、どちらの回路を使うかで、糖を消費するのか、脂肪を燃焼するのかが変わってくる大事なポイントです。少しがんばって集中して読んでみてください。

エネルギーの使い方は筋トレなどの無酸素運動とマラソンやジョギングなどの有酸素運動とがありますが、この2つは名前の通り、酸素を必要とするかしないかという決定的な違いがあります。

酸素の有無によってどちらのエネルギー回路が主に使われるかが決まり、無酸素運動では解糖系、有酸素運動ではクエン酸回路(CTA回路)が使われます。

無酸素運動でのエネルギー消費

無酸素運動では瞬発的に強度の高い運動を行います。これに適したエネルギー消費経路が「解糖系」です。解糖系ではまさに糖、炭水化物で摂った栄養素が使用されます。

筋トレなどの瞬発的な運動では、使うのは筋肉、動かすエネルギーは糖ということですね。

解糖系は酸素を必要としませんが、有酸素状態でも行われています。酸素がない状態では副産物として乳酸が生成されるのに対し、酸素がもしあれば、その副産物をクエン酸回路に消費させることができます。

糖の保存場所

糖は肝臓、筋肉の2カ所に保存されます。血中の糖、つまり血糖値が下がると肝臓から糖が補てんされます。肝臓では80g程度、筋肉中には450gほどの糖を貯蔵できます。

糖が尽きると? ~糖新生~

糖が尽きると体は糖新生というエネルギー消費回路へ切り替えます。これは糖が枯渇した状態下で、ほかの物質からどうにか糖を作り出そうとする非常回路です。

何から糖を作るかというと、いくつか材料となりうる物質はあるのですが、8割はその分解のしやすさからアミノ酸、タンパク質が使われます。つまり筋肉ですね。筋肉はエネルギーを消費する元なので、エネルギーが足りないならこいつから燃料にしてしまおうするのです。

ただ糖新生はそんなに急激に起こるモノではありません。あくまで緊急時のイレギュラー対応で、脳に必要な栄養素をちょろちょろ作り出すために発動します。糖新生で糖を生産できる量も限られています。

日ごろからあまり食事せず、運動も通勤通学程度しかしていなければ、それに必要な分だけ残して筋肉はどんどんやせ細ってしまいますよね。

使われない筋肉とは腹筋、二の腕の裏側、おしりの筋肉、これらの箇所はエネルギーが消費されないがために、脂肪の備蓄場所としても最適であり、お肉がつきやすい理由ともなっているわけです。

リバウンドする原理

運動をすれば一方で筋肉は作られていくのでそこまで心配はいりませんが、

飢餓というのはまず筋肉から削っていく、それはつまり、エネルギーを消費するする元を断つことで、エネルギーを貯め込める体にするという意味があります。

ダイエットをして体重が減ったのはいいものの、この時は以前より筋肉が減っている可能性があります。

…そこでもし以前と同じ量の食事を摂ってしまうと?

状態としては昔よりエネルギーを消費しづらい体となっているわけですから、昔よりもさらにエネルギーが余ってしまうのです。これがリバウンドが起きる大きな原因の一つです。

糖が余ると?

糖新生を見てもわかるように、糖はエネルギー消費と非常に深く関わっているのですが、では、糖が余るとどのようにして太るのでしょうか。

糖は摂取されるとまず、脳や直近の運動に差し迫って必要な分を残しその他は体に保存されるようになります。どこに保存されるのかというと、体の筋肉と肝臓に保存されるのですが、筋肉は350g程度、肝臓は80g程度しか保存できません。

中性脂肪の正体は、分解すれば、グリセロールと脂肪酸の化合物です。余った糖(グルコース)は脂質(脂肪酸)と合成され、貯蔵用のエネルギーである中性脂肪になってしまうのです。

ご飯を食べてもすぐにおなかが空いてしまう

つい1時間前に一杯ご飯を食べたはずなのに、ちょっとテレビをつけだすと不思議とお菓子に手が伸びてしまう、そんなことがあると思います。

これはなぜなのか、この現象には、実は脳の指令が関係していて、「実際は体に栄養は足りている」にもかかわらず食欲を増進させてしまう、誤作動ともいうべきメカニズムがあるのです。

食事をすると、摂取された糖を速やかに筋肉に備蓄するべく、インスリンというホルモンが分泌されます。

しかし、過度な食事はこのインスリンというホルモンを過剰に分泌させてしまい、必要以上に糖の吸収を各器官へ促してしまいます。

すると血中に十分にあったはずの糖は、思いのほか少なくなってしまう、そして、ここでアラートを出す器官があります。

それは脳、前述したとおり、脳は他の器官と違い、糖のみを栄養としているため、これが少なくなると非常に困るのです。

しかも脳は言わずと知れた人体の司令塔ですから、糖を吸収せよ!と自分勝手に命令を出してしまいます。

これによって、実際には栄養を十分に取っていても、さらに食欲がわき起こる、肥満の連鎖が動き出していくのです。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。お時間があれば一度目を通してみてください。

有酸素運動でのエネルギー消費

有酸素運動で使われるエネルギーは主にクエン酸回路というルートで生成されます。疲れた体にクエン酸!と話題になったあのクエン酸ですね。

運動を始めると、最初は酸素の吸引が追い付かずに無酸素運動状態となります。そのため、最初は糖がエネルギー源として使われ始めます。

解糖系が、酸素を必要としないエネルギー生産回路である一方、クエン酸回路は呼吸によってまわりだし、解糖系と並行して動くようになります。そしてこちらは主に脂質のエネルギーである脂肪酸が使われます。

こうして徐々に解糖系からクエン酸回路へとエネルギーの消費形態の比率は移行していきます。

有酸素運動で中性脂肪を消費する

中性脂肪は生体機能維持の非常食として蓄えられた燃料で、使用に当たっては改めてグリセロールと脂肪酸に分解して使います。脂肪酸はそのままエネルギーとして使用される一方で、余ったグリセロールはその後脂肪酸が補給されるとすぐ中性脂肪に戻ってしまいます。

なのでグリセロールも消費しなければいけないのですが、こちらはちょっと遠回りして、解糖系で回るエネルギー回路に組み込まれて消費されます。

理想的なエネルギー消費

さぁ、情報は出そろいました。最後に理想的なエネルギー消費について考えてみます。

みなさんが通勤で歩いたり、書類を書いたり、コップを持ち上げたりするのも有酸素運動です。でも、やせないですよね。有酸素運動はもっと長時間にわたって行う必要があるのです。

その分思いっきり筋トレして短時間に!とはできません。なぜなら強度の高い運動は無酸素運動に分類され、糖の消費サイクルに回ってしまうからです。

では、どのくらい運動すればいいのか?これについては厚労省でも指針が出ています。スポーツをする、しないだけでなく、日常生活でも、実は人は思った以上にエネルギーを消費する機会があります。それについてはこちらの記事で紹介しています。

糖について最も重要なのは、適量を維持する!ということ。なぜなら、摂らな過ぎれば糖新生で筋肉が衰退し、摂りすぎれば中性脂肪へ変わってしまうから。脳のエネルギー源でもあり非常に敏感な栄養素なのです。これが一番大切なこと。

例外として糖を多く消費する筋トレするときなどは許容できますが、今日はマラソンしたからいっぱい食事しよう!は完全NGです。

マラソンで消費したのは中性脂肪なので、その後すぐにいっぱい糖を摂ってしまえば余った糖で中性脂肪に逆戻り。有酸素運動をした後は適量かつバランスの良い食事を心がけましょう。

そしてもう1つは「全身をバランスよく使った運動」です。特に脂肪が付きやすい部位は、普通に運動しているだけでは、エネルギーをあまり使うことのない筋肉、そのため、脂肪が付きやすい。ここは意識して使っていく必要があります。

えてして運動に使われた部位では、脂肪が燃焼するだけっでなく、その後脂肪が付きにくい状態が少し続きます。

特に、強度の高い運動をすると、筋肉が壊れ、再生します。この間約2日。

使われた筋肉があると、体が脂肪を蓄えようとしたときに「お、個々の筋肉をすぐエネルギーを使いそうだ、別のところに変えよう…」と中性脂肪が逃げていきます。

さらに、津申請で筋肉がエネルギーに変換されてしまうときにも、「お、ここの筋肉は使われているから削っちゃまずいなー」と、防ぐことができるのです。

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  1. 2018年 4月 07日

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