猫背が肥満になる理由!姿勢がいい人は太らない?

猫背で太る人、太らない人
小さいころに言われていた、「姿勢を正して座りなさい。」この言葉の意味が分かるのは大人になってからかもしれませんね。
社会に出てスーツを着て、同僚と並んで座った時、はじめてその違いに気づくのではないでしょうか。
さらに歳を重ねると、今度は健康について意識が向いていきます。
肩こりひざ痛、体のために姿勢を正すようにと言われ、今まで歩んできた人生で、背筋を伸ばすことを意識してきた人とそうでない人に、こんなにも差がついていたのかと、思い知らされることになるのです。
健康と言えば、メタボリックシンドロームが取り上げられる昨今で、肥満は生活習慣病、つまり、日常に隠れる病として認知されるようになりました。
日常的に猫背になっている人と日常的に肥満と戦っている人、もちろん肥満に直接アプローチするのは運動や食生活であることは疑いようがありませんが、肥満の人はその近くから、撫で肩だったり猫背だったりと姿勢が悪く見えがちです。
今回は猫背と肥満、2つの関連性について取り上げ、姿勢を正すことが肥満にどのように影響しているのかを考えてみます。
目次
- 太る人と太らない人
1-1. 無酸素運動と有酸素運動 - 猫背の人が使う筋肉、使わない筋肉
2-1. 猫背の人が太る理由 - 姿勢をよくする方法
- まとめ
太る人と太らない人
ヒトは何をエネルギー源としているかご存知でしょうか。
炭水化物、脂質、タンパク質ですね。小学校の家庭科では炭水化物=エネルギーのもととなる、と教えられていたかと思います。
しかし実は脂質、タンパク質もエネルギー源となっています。さらに驚くべきは脂質のエネルギー生産量。炭水化物、タンパク質は1g→4kcalのエネルギーを生み出すのに対し、脂質はその倍以上、9kcalのエネルギーを生み出します。
非常用に蓄えられる脂質、これだけの熱効率があるからこそ、余ったエネルギーは脂質として蓄えられているのです。
さて、なぜこんなお話をしたかと言えば、猫背の方はいやおうなしに姿勢が悪いわけですが、それはつまり使っている筋肉がほかの人と違うわけです。するとどんなことが起きるのか…
無酸素運動と有酸素運動
エネルギーは3種類の栄養素から主に作られるとお話ししましたが、これらはエネルギーに変化する経路が違います。
ヒトがエネルギーを生み出す経路は主に2つあります。1つ目は解糖系と言って糖、つまり炭水化物を主に使ったエネルギー消費です。
糖と言ってもお砂糖ばかりではなく、でんぷんなんかも糖として有名ですね。つまりお米も言ってしまえば糖というわけ。
この糖を使ったエネルギー消費は何より早く動き出します。それは呼吸による酸素等の循環を必要としないから。無酸素の瞬発的な運動にはこの解糖系のエネルギー生産が欠かせません。
次に動き出すのがクエン酸回路、TCA回路とも呼ばれます。これは呼吸を含んで動き出します。そしてこちらで使われるのが脂肪だったりタンパク質、あとは解糖系のエネルギー消費の過程でできた副産物なんかが使われるようになっています。
やせるために有酸素運動をしようというのはコチラの回路を使うため、脂肪をエネルギーとして消費するためです。
が、この回路ではタンパク質、つまり筋肉もエネルギーとして使われたりします。
このとき、タンパク質からエネルギーになる分に関しては筋肉から分解されていきます。え、それじゃあすぐにガリガリになっちゃうじゃん…と思われるかもしれませんが、筋肉は壊れると同時に作られることも同時進行で常時行われています。ちなみに筋肉が壊れることを異化、作られることを同化と言います。
猫背の人が使う筋肉、使わない筋肉
さてここが肝です。このとき、筋肉の異化が進むのは不要な筋肉、普段ほとんど使われていない筋肉から分解されていきます。
一方同化がすすむのは使われている筋肉です。筋トレの原理でわかりますね。筋肉を壊すと体はその筋肉が使われている、必要なものだと認識し、同化、つまり再生を積極的に進めるようになるのです。
姿勢の良い人は、背筋を緊張させて背筋をぴんとさせているわけですが、すると体では「あぁ、背筋が必要なんだな」と認識され、この筋肉は異化されません。また、この状態のとき人は全体の軸が取れているため、全身の筋肉をバランスよく使用することができます。
一方猫背のヒトの場合、背筋は使用せず、その代り首を持ち上げる筋肉だったり、ひざも曲がりがちになるため太ももの前の筋肉だったりが使われます。
猫背の方は変にあごが出た姿勢になったりしますね。体はバランスを失い、使われる筋肉と使われない筋肉に差が出てきます。その結果、残る筋肉と衰える筋肉の差が広がり、さらなる姿勢の悪化につながります。
では、そうなった場合、太りやすさに差が出るかどうかを想像してみます。
猫背の人が太る理由
有酸素運動で回るクエン酸回路はタンパク質と脂質の両方を使用します。ただ、先ほどお話しした通りよく使う筋肉に関しては異化されません。
姿勢が良い人の場合。体の筋肉はバランスよく、比較的分け隔てなく使われています。すると、あれ?異化する筋肉が無いぞ?なら仕方ない…脂肪を使うか…となるわけです。
猫背の人のように使われる筋肉に差があると、お、この筋肉は使われていないな…異化してエネルギーに変えてやろう。と、タンパク質の方がエネルギー化され、脂肪の使われる割合が減ってしまうわけですね。
これが猫背の人が太る理由なのではと思われます。
また、脂肪はどこに蓄えられるかというと、脂肪はいざというときの非常食ですから、比較的使われづらい位置に備蓄されていくのです。そのため、おなか回り、女性であれば二の腕の裏なんかに脂肪が蓄えられていくわけですね。
脂肪の燃焼についてはコチラの記事でも紹介しています。お時間があればこちらも読んでみてください。
姿勢をよくする方法
ではさっそく猫背を治してみましょう。これは本当にお勧めです。自分はこれで結構人生変わりました。大げさかもしれませんが。笑
胸を張って 肩はそこにすとんと落ちる、引っかかるような感覚、首は自然と胸の上に乗っかる感覚です(あごが引けてくるはずです)。どちらにも力は入りません。胸を張ることにだけ力をいれる、意識をすることで、ほかの部分はリラックスし可動域が広がるはずです。
ちなみにこの格好は猫背とくらべて格段にカッコよく見えます。肩幅がおちついて広くなり、肩の位置も高くなるため足が長く見えます。あごが引けるので顔も小さく見えますし、胸を張るので胸板も厚く見えます。女性であれば、胸が大きく見えます。
本当に変わりますよ。
また、歩くときは背筋を伸ばしてゆっくり歩くように意識しましょう。背伸びしながら歩くくらいの意識がちょうどいいかもしれません。早く歩くと前傾になってしまうので、ゆっくり歩くことで上記の姿勢を維持します。
まとめ
最初は窮屈ですが、胸を意識して張るだけ、さらに肩の力を抜いてリラックスすることで人と話すときも自身が持てるようになってきます。顔でなく、胸で話すように意識してみてください。自分も不思議でしたが、胸に意識があるので、ヒトと目を合わせても緊張しなくなってきます。
姿勢って本当におもしろいですよ。ぜひ根気よくチャレンジしてみてください。
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