過呼吸はなぜ起こる?本当の対処法は不安の原因を取り除く声かけ

悲しみとともに起こる過呼吸、助ける声かけ
身近な人が過呼吸になったらあなたはどうしますか?
感情が高まった時、自分の友達も過呼吸もちの人がおり、今回この記事を書くに至りました。
大学生から社会人になり、その人に限らず、過呼吸を発症してしまったという話はよく耳にするようになりました。
今回はよく知られている対処法から本当は一番大切なこと、そして具体的に何をすればよいかを調べ、考え、まとめてみました。
目次
- 過呼吸とは
1-1. 過呼吸はなぜ起こるのか - 一般的な対処法
2-1. 呼吸をゆっくりと落ち着ける
2-2. 「袋を口に当てる」は間違い - 心の不安が過呼吸のサイクルを加速させる
- 声かけが心の不安を軽減する
4-1. 具体的・行動的な声かけをする
4-2. 過呼吸の時にすべき声かけ - まとめ
目次
過呼吸とは
過呼吸は長距離走や水泳など、過度な有酸素運動でも発症しますが、精神的ストレスから発症するケースも多いものです。
今まで何ともなかった人が仕事や家庭、恋愛のどの不安から発症するケースも少なくありません。
通常は30分~1時間程度で自然と回復します。1時間以上続くことは稀なケースです。慢性的な場合、医者にかかるのは心療内科となりますが、抗不安薬を処方されるのが一般的です。急性な場合は過呼吸と判断できなければ救急科、内科を受診することとなります。
過呼吸はなぜ起こるのか
過呼吸の機序は明確には分かっていません。主な理論は過剰な呼吸によって二酸化炭素を過剰に排出することにより、体がアルカリ性に傾きます。これをアルカローシスと言いますが、これにより息苦しさを覚え、脳はさらに呼吸が必要と誤認し過呼吸に陥ると言われています。
アルカローシスは体のpH、つまり、酸性、アルカリ性の異常です。人の血液は微弱なアルカリ性で保たれており、呼吸が激しくなると血液のpHを変化させないためにほかの器官でpHをコントロールします。
アルカローシスは体がアルカリ性に傾く状態をいい、症状としては浮遊感や異常感覚、錯乱などが挙げられます。
また、心の状態を生理機能に反映する神経を自律神経と言いますが、興奮状態になると息が荒くなるように、呼吸はこの自律神経と深く関わっています。
そのため呼吸の乱れは自律神経を逆行し心の不安をあおります。
一般的な対処法
過呼吸は身近な人が発症した、など、ほとんどの人が見聞きしたことのある症状かと思います。そのときの対処法はどんなものだったかおさらいしてみます。
呼吸をゆっくりと落ち着ける
過呼吸はその名の通り過度な呼吸によって酸素過多、二酸化炭素不足によりさらに呼吸に異常をきたす症状です。
回復には単純に、もとの正常な呼吸を取り戻すことにより、酸素過多、二酸化炭素不足の状況を改善することです。
ただ、呼吸困難を自覚するため、パニックに陥ることも多く、その状態から呼吸を取り戻すことはそんなに簡単なことではありません。
「袋を口に当てる」は間違い
良く知られている手法ですが、これは実はあまり推奨されていません。
自分の吐いた息を再び吸うことで、二酸化炭素を多く取り込むことを目的としていますが、その分酸欠に陥るリスクがあるからです。
やるのであれば最低でも紙袋を用い、完全に口と密着させるのは避けたほうが賢明です。
心の不安が過呼吸のサイクルを加速させる
過呼吸は酸素を多く取り込むのになぜ息苦しさを感じてしまうのか、これには心の状態を生理機能に反映する自律神経が一役買っていると考えると、説明することができそうです。
呼吸がはやくなる
→体がアルカリ性に傾く(アルカローシス)
→錯乱や異常感覚、「死」の自覚
→自律神経が交感神経優位(興奮状態)になる
→呼吸がはやくなる
この過程を見ると、精神的負担が過呼吸を加速させるスイッチになっていることがわかります。
過呼吸は一般的に命にかかわることは無いと言われています。本来は自然に治るモノであるということを本人が自覚することは、過呼吸の症状を早く回復するうえで重要な要素になります。
声かけが心の不安を軽減する
身近にいる人が過呼吸になった時、呼吸を落ち着かせるうえでとても大切なことは過呼吸は自然に収まるものであると伝えること。なにより心を落ち着かせることです。
そのために最も必要で直接的なことはそばにいてあげること。そして、できるのであればその人の心を軽くする声かけをしてあげることです。
しかしここで気を付けなければいけないことがあります。それは安易に「すぐに治るから大丈夫だよ」といった無責任なアドバイスをしないことです。
特に初めての発症、過呼吸を知らない人が発症した場合は注意が必要で、あいまいな声掛けは、「なぜあなただ大丈夫だとわかるの?」という不安から逆にストレスをかけてしまうこともあります。
具体的・行動的な声かけをする
この時大切なのは、声かけの内容が具体的であること、そしてもう1つは精神的な励ましではなく、行動的な声掛けを行うことです。どういうことか例を挙げてみましょう。
大切な試験やスポーツの大会などで「がんばれ!」「いつも通りやればできるよ!」と声をかけられ、逆にできなかった時のことを想像して不安になった経験はないでしょうか。
日本では国柄なのか、精神的な励ましが使われる場合が多いです。行動的な声掛けはアメリカなどではよく表れているものですが、こんなことを言って励まします。
「もっと胸を張って!しゃんとして!」
「あごをひいて遠くを見つめて集中して!」
「お腹の下に空気をためるように深呼吸しておちついて!」
違いが分かりますでしょうか。心に向かって訴えるのではなく、体を動かすことで精神を安定させるのです。
過呼吸の時にすべき声かけ
過呼吸の時にすべき声かけは
「最初は苦しいけど、5秒数えながら息を吸って、また5秒数えながら吐いて」など、具体的な行動を示すこと。※苦しそうであれば秒数を短くしてあげましょう。
「大丈夫、5分程度でよくなるものだから、ゆっくり、落ち着いて」と具体的に説明してあげるのも効果的です。
※落ち着くまでに本当はもう少し時間がかかるものですが、安心させるためにすぐに治るものと具体的な時間を伝えてあげましょう。
「できるだけ考えないで、落ち着いて」不安や恐怖は自律神経に働きかけ、自然と呼吸を早めてしまいます。いったん考えることをやめて、呼吸を落ち着かせることに集中させてあげましょう。
そしてこの時、声掛けをする当の本人が落ち着いて話しかけることが重要です。自分の話に信憑性を持たせ、こうすれば安心なんだと不安を軽くしてあげることが最も大切です。
まとめ
過呼吸は大切な人、もしくは大切なものだったり信念だったり、精神的支柱があることでその発症の抑制度合いは変わってきます。
心にいつも自分の支えとなるものを置いておき、また過呼吸に対する正しい知識を身に着けることで、その発症に冷静に対処できるようになると良いです。
この記事が少しでもあなたの、またはあなたの大切な人の過呼吸を治す助けになれば幸いです。
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2017年 5月 07日トラックバック:強迫症 | site-test
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