顔を洗わないのは乾燥期

顔を洗わない肌健康!は正しい?
肌を洗わない健康法というのが一時期話題になりました。たしかに肌を洗わないことで油分は十分に保たれますが、それがはたして本当に肌を健康を保つだけのメリットを生み出しているのでしょうか。
そしてもう一つ、肌を洗わないことで大きな意味を持ってくるのが肌の常在菌。これは洗うこと、洗わないことで肌にどんな影響を与えるのでしょうか。
目次
- 洗わない洗顔
1-1. 正しい洗顔のしかた
1-2. 洗わない理由
1-3. 皮脂汚れは大丈夫なの? - 肌の調子を左右する細菌たち
2-2. 皮膚常在菌の役割
2-3. 細菌が悪さをするとき - 理想的な洗顔
3-1. 洗わない洗顔を試してみて - 腸が肌の不調の原因かも?
- まとめ ~もう一つの大切なこと~
目次
洗わない洗顔
もちろん全く顔を洗わないということはありません。ここでいうのは朝起きてからの洗顔。洗わない、水で洗う、ぬるま湯で洗う、洗顔フォームでしっかり洗うとありますがどのくらいがベストなのでしょう。
正しい洗顔のしかた
洗顔することで肌の皮脂が少なくなり一時的に乾燥しやすい状態となります。正しい洗顔は、泡を乗せるように洗い、顔を拭くときもこすらず、ポンポンとタオルを顔に当てるイメージです。
そしてもう一つ、洗顔する前にはまずぬるま湯で顔を温めます。これにより皮膚の毛穴を開き肌の奥までキレイに洗顔することができます。
これと逆の原理で洗顔後は再び汚れが入ってこないよう冷水で閉めると効果的です。化粧水を付けた後に氷で閉める…かの有名な叶姉妹が実践している方法ですね。
ただ、度が過ぎると本来体が持っている調節機能まで損ねてしまうので、水温程度の温度がやはりちょうどいいでしょう。
なぜなら人間になじみのある温度だから。ずっと昔から人間は水で洗顔してきたからですね。
洗わない理由
問題となるのが洗顔の過程で注目される「保湿」です。中でも洗顔を減らした方が良いという意見はこのような理由からです。
- 夜間に作られるベストな肌環境を壊さない
- 朝は落とすべき汚れが少ない
夜間に作られるベストな肌環境を壊さない
肌が最もダメージを受けるのは日中です。紫外線もあたりますし、多少なり体は運動するため、当然皮脂も出てきます。
一方夜間、肌を気にされている方は化粧水に乳液、美容液と気を使っていらっしゃるかと思います。
肌は夜間に代謝を行っており、その成長ホルモンと肌ケアによってベストな環境で保湿成分や保護膜が出来上がっています。
朝の洗顔によってそのバリアを除去してしまうと、日中という戦場で肌は無防備になってしまうということですね。
朝は落とすべき汚れが少ない
寝ている間は日中と違い、ホコリなどがつくのみなので、洗顔料を使ってまで洗い落とすべき汚れはないということです。
どちらももっともな意見ですね。
皮脂汚れは大丈夫なの?
夜間は肌の代謝が行われ、ベストな環境が出来上がるわけですが、その間出てきた古い皮脂は放っておいていいのでしょうか。
毛穴に詰まる皮脂、角膜を角栓と言いますよね。これって全部が全部取ってしまわないとニキビができるような言い方をされますが、角栓は角栓で皮膚を守る役割を果たしています。
ガムテープのようなものでがばっと角栓を取ってるのを見たことがあるかと思いますが、角栓すべてニキビになるのであればあれが全部ニキビに…ということになりますが、実際はそうはならないですよね。
角栓は人間の代謝によって自然にとれるようになっているのです。なので躍起になってごしごし取りに行く必要はないのです。
もちろん肌が油脂体質で朝にも油でテカテカするような人であれば洗顔料を使ってもいいのでしょうが、基本的には朝は水洗顔のみでokと言えそうです。
ただ、やはり肌をこすりすぎないように気を付ける必要はあります。
肌の調子を左右する細菌たち
さて、油分と洗顔の関係についてともう一つの今回のテーマが皮膚に常在している細菌についてです。
皮膚常在菌はご存知でしょうか。表皮ブドウ球菌をはじめとする皮膚にいつも存在する細菌たちです。にきびの原因となるアクネ菌もその一つですが、皮膚には常に1兆個近くの細菌たちが存在しています。
皮膚に菌がいるなんて!と思われる方もいるかと思いますが、みなさんの肌は普段何の異常も起こさないのは、皮膚常在菌が特に人体に影響を与えるわけではなく、むしろ害をもたらす外気にただよう菌たちから私たちの体を守ってくれているからです。
皮膚常在菌の役割
たとえば皮膚ブドウ球菌は皮脂を分解し遊離脂肪酸を作り出すことで皮膚を弱酸性に保ち、皮膚のバリアとしての役立っています。
人間の皮膚は弱酸性というのは効いたことがあるかと思います。これは体調の変化などでアルカリ性に傾くと病原菌が繁殖しやすい環境となるため、弱酸性に保ち抵抗力を高めているのです。
細菌が悪さをするとき
このように常在菌は通常肌を健康に保つためになくてはならないものなのですが、それが人体に悪影響を及ぼすのは以下の理由からです。
- 肌の代謝不良
- 肌に傷がある
肌の代謝不良
肌の環境が乱れることはすなわち、常在菌の生存環境に異常が起こることを意味します。
ニキビの原因はご存知アクネ菌ですが、これは先ほどの皮膚ブドウ球菌と同様に皮膚のバリアを作る働きをしています。
人の肌は弱酸性、アクネ菌も脂肪酸を作り肌を弱酸性に保ってくれているのですが、嫌気性(空気を嫌う性質)であるため毛穴の中などで生きています。
これが肌が硬くなっていたり角栓がうまく外れずに詰まっていると、弱酸性に保つためにアクネ菌が作り出した脂肪酸は皮膚の外に出ていくことができず、毛穴の中で炎症を起こしてしまう、これがニキビができる原因です。
肌に傷がある
また、皮膚に傷などがある場合、そこから常在菌が体内に入り炎症を起こす可能性があります。
病院ではこれでもかというくらい殺菌消毒し、頭から足まで抗菌の服を着ます。
動物園でもパンダなど抵抗力の弱い動物の赤ちゃんは菌のない環境で外部の人が触るのはもちろん入ることも許されません。
菌は常在菌として共存していても、他の生物に対しては害になることがあります。
こと人間と共存している菌であっても、本来いるべきではない場所に菌が置かれると、体に悪影響を及ぼす可能性があります。
皮膚常在菌が体内に入ることで風邪などの病気を引き起こす可能性もあるのです。
理想的な洗顔
今回調べたことから、朝は水洗いでもokだと思います。
なぜなら寝起きの角栓や皮脂は基本的に人間には代謝で取り除かれるシステムがあるので、よごれの少ない朝はそれを頼るということ。
そして、夜間にできたベストな肌バリアを日中の過酷な環境に備え良い状態で残しておくために、それを壊してしまう可能性のある洗顔フォームの使用を控えることです。
皮脂が増えること、常在菌が増えることは直接的な問題ではなく、肌が乾燥などで硬くなってしまったときに、常在菌の生活環境が脅かされることの方が脅威と思われるので、洗顔フォームを使用するのは、一日活動してよごれのたくさんある夜のみで良いと思います。
洗わない洗顔を試してみて
自分も冬場は朝はぬるま湯での洗顔のみにしてみていますが、おでこやほっぺたの冬特有のつっぱってカサカサした感じもなくなり、快適に過ごせています。
ただ、朝は髭剃りがあるのでどうしても口回りにはダメージを与えてしまうので、その点は慎重にケアするようにしています。
腸が肌の不調の原因かも?
そしてもう一つ重要視しなければならないのは肌質の向上です。
肌は洗顔を変えたり化粧水を変えたり、外的要因のこともありますが、それと同じくらい、いやそれ以上に大切なのが内的環境です。
とくに乾燥したり、肌がつっぱったりしないのであればこちらを疑うべきです。(自分は口回りの肌荒れはこっちで大きく改善しました)
腸は人間の体の中で栄養を体に取り込む唯一の器官です。ここに不調があると体の意外な部分に不調をきたすようになりますが、
お腹に不調を感じている人が、その時合わせて感じる一番の悩みが実は肌トラブルなのです。もしやと思った方はこちらの記事も読んでみてください。
まとめ ~もう一つの大切なこと~
常在菌が繁殖することや、油脂の量自体が直接的な問題ではなく、
皮脂の詰まりによって常在菌の生活環境が限定されること、そしてもう一つは、肌が傷つくことで、常在菌が本来いるべきではない傷口に触れてしまうことが肌荒れの一番の原因となるようです。
また、肌質の向上のために内的環境を良くすることも大切です。
今回調べてみて感じたことは、洗顔はみなさん当たり前のようにやっていることだけれど、それは本当は当たり前にするようなことではないのかもしれない、ということ。
肌が乾燥しているというのは、季節のせいばかりではなく、自分自身の体が発している警告ではないかと思うのです。
体は常に自身の不調を何らかの形で、目に見えるところまでフィードバックしていることが多いです。肌の乾燥というサインはおそらく腸からのサインか、肌からのサインかのどちらかです。
もし肌からのサインであるなら、それを無視して洗顔でさらに皮脂を落とすという行動は、ある意味自殺行為ではないかと思います。
顔を洗わないという選択も絶対間違いとは言えない、というのが今回の結論になるでしょうか。
ただ、外気にはウィルスを伴うチリやホコリも舞っていますし、寝具にいるダニなどが原因となる場合もあります。
自分の体の声と相談しながら、朝は水洗いだけにしてみたり、自分のベストな洗顔を見つけてみてくださいね。
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