化粧水と美容液の保湿成分に違いはあるの?それぞれの役割と使い方

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化粧水の保湿成分、それぞれの役割

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目次

  1. 化粧水や美容液の成分
  2. 肌の持つ保湿成分
    2-1. セラミド
    2-2. ヒアルロン酸
    2-3. コラーゲン
    2-4. エラスチン
  3. 栄養素として保湿成分を取り入れることは
    3-1. 保湿成分をサプリメントとして取り入れる
    3-2. 保湿成分を補う食事
    3-3. そもそも保湿成分は不足しているのか
  4. まとめ

化粧水や美容液の成分

化粧水の成分は水が80%、溶剤としてアルコールが10%、そして保湿成分(グリセリン、アミノ酸、ビタミンなど)が数%です。

ほとんど水ですね。当然ながら水は保湿しません。乾くのみです。そしてアルコールまで含まれていれば、それだけで肌を乾燥させてしまいそうですね。

また、残りの数%は保湿成分よろしく、乗じて香料やら防腐剤も含まれています。そうまでして使用するメリットはあるのでしょうか。

肌の持つ保湿成分

主な保湿成分はみなさんご存知ヒアルロン酸、コラーゲン、そして、セラミドですね。まずはこれらが皮膚のどの場所でどんな働きをしているのかを見てみましょう。

セラミド

コラーゲンなどと比べると比較的遅れて注目されるようになったのがこのセラミドですね。学名をN-アシルスフィンゴシンと言い、小麦、コメ、コンニャクなどからも抽出されます。

これは角質層といって、真皮、表皮のさらに外側に位置します。

この角質層はラメラ構造と言ってレンガを積み重ねたようになっています。このレンガの部分が角質、活動をやめた表皮細胞で、その間を接着剤のようにして細胞間脂質が取り囲んでいます。

そしてこの接着剤はさらにミルフィーユのように油面と水面が交互に積み重なってできており、あらゆる外敵の侵入を防ぐ防壁となっているのです。

この油面と水面の間でしきりの役割をはたしているのがセラミドで、細胞間脂質の5割近くを占めます。これがあることによって角質層の構造は正常に保たれ、真皮から上がってくる水分を外側の肌に伝える重要な役割を果たしています。

セラミドは油分です。そのため水とは基本的には交わらず、保湿成分ではないというのは覚えておいた方が良いでしょう。

ヒアルロン酸

これは真皮に分布する保湿成分です。たとえば化粧水や美容液を塗ったとして、外部からここまでたどり着くことはほぼありません。

ムコ多糖類に属します。ムコってなんじゃいと思われるかと思いますが「粘性」の意味です。

ムコ多糖類はその分子構造から多くの水を保持できるため、高い粘性を持ち、保湿において大きな役割をはたします。ひざ痛にいいと言われるコンドロイチンなんかもこのムコ多糖類の仲間です。

アミノ基をもつためタンパク質と結合します。中でもヒアルロン酸は群を抜いて分子量が大きいため、その分保水力に優れているのです。

ヒアルロン酸はとくに分子が大きいので、コラーゲン同様肌からは吸収されません。しかし、その保水能力から、肌の一番外側角質層の保湿を期待され、配合されています。

飲むヒアルロン酸なども宣伝されていますが、効果不十分のため特定保健用食品にも認定されていません。

コラーゲン

こちらも真皮の構成成分です。ゼリーとかのようなプルプルしたイメージがありますね。実はコラーゲンは小さな繊維質のものです。

人体の皮膚、血管、靭帯、腱、軟骨を構成する繊維状のタンパク質で、人体のタンパク質と言えば3割がこのコラーゲンという形状をとっています。

そのコラーゲンのうち4割近くは皮膚に分布しています。確かにコラーゲンは皮膚にとって重要な成分であることがわかりますね。

ビタミンCとビタミンAはこのコラーゲンの生成に必要で、肌の健康にはビタミンCと言われる所以です。

コラーゲンの成分は親水性アミノ酸であるため、真皮の水分を保ち肌の保湿に役立ちます。

本来の働きは保湿もそうですがもう一つの大きな役割は肌の強度を保つこと、肌にはコラーゲン繊維と弾性繊維があり、コラーゲン繊維はこれ以上伸びないよう保つ役割をします。

そのためコラーゲンが真皮にしっかりと分布していることで、保湿プラス強度アップという、ハリのある肌に欠かせない役割をはたしています。

ちなみにコラーゲンはタンパク質なので普通のお肉などと同じように胃酸によって分解されます。そのためサプリメントなどで突出してコラーゲンを摂ってもあまり意味はなく、バランスの良い食事を心がければ通常はコラーゲンは不足しないようです。

もし関節痛や肌の乾燥など、コラーゲンの不足と思われる症状があるのであれば、ホルモン系や鶏肉(手羽先に多く含まれる)なんかを積極的に食べるとよいでしょう。特に鳥や魚は皮の部分にコラーゲンが多く含まれています。

※ペプチドコラーゲンであれば肌環境の改善が見られたという情報もありますが、これはペプチドコラーゲンが現存の肌に刺激を与えただけであって、コラーゲンとして定着するわけではないようです。

よく見ればそういった資料には「1日限り」のような注釈が書いてあることがほとんどです。

 

エラスチン

肌には弾性繊維とコラーゲン繊維があるとお話ししましたが、弾性繊維の主成分がこのエラスチンです。コラーゲンより伸縮性があり、強度アップを超えて形状の維持をする役割をはたします。

栄養素として保湿成分を取り入れることは

セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、こういった物質が肌の保湿を助けたり、形状を保つうえで重要な役割をはたしていることはわかりました。

そして、これらは外部から吸収されるかと言えば、それに対しての根拠はまだ明確ではありません。

つまりこれらの保湿成分を良好に維持するにはやはり体内での生成を促す必要があるわけです。ではこれらの保湿成分のもととなる栄養素はどのように取り入れればよいのでしょうか。

保湿成分をサプリメントとして取り入れる

これらの栄養素を、サプリメントなどで内側から摂取するのはどうでしょう。これについて基本的な論調は、これらは脂質やタンパク質であるため、胃酸で消化されてしまうのであまり意味がない。というものです。

しかし、胃酸で分解されるとはいえ保湿成分を再構成する材料にはなるわけで、もし不足しているのなら、サプリメントとして補充する意味はあります。

ただ、あくまでほかの食品と同じように血や肉のもととなる、という位置づけまで分解されてしまいますので、逆に食事の栄養バランスを乱してしまう可能性もあります。

保湿成分を補う食事

食生活が偏っていると、肌の保湿成分の生成に必要な栄養素が十分にとれていない可能性があります。

タンパク質や脂質であるため、単純に肉類を摂取すればある程度は補充できますが、筋肉になる栄養素を摂取するわけではないので、効果的な食品は少し種類が違います。

保湿成分を作る材料となる食べ物をきちんと摂取できているでしょうか。以下、肌に良いとされている食べ物を挙げてみます。

コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンを多く含む食材

調べたところコラーゲンもヒアルロン酸もエラスチンも、多く含む食材というのは似通っています。それは軟骨や牛筋、鳥皮や魚の皮といったもの。

ヒトも動物も皮膚を作る成分は一緒ですから、それがそのまま栄養素を含む食材というわけですね。ヒアルロン酸はムコ多糖類と少し性質が異なり、山芋、オクラ、納豆など、ネバネバ系の食べ物からも摂取することができます。

コラーゲンをより合成しやすくするにはビタミンC、エラスチンの合成にはビタミンA、Kを一緒に摂取すると効果的です。

ビタミンAはレバー、ウナギ、モロヘイヤ、人参、海苔など
ビタミンKはホウレンソウ、納豆、わかめ、明日葉、抹茶などに多く含まれます。

まとめると、軟骨や皮を含む魚や肉類、ネバネバ成分のある野菜や海草類を合わせて食べると効果的ということですね。

コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンを多く含む料理

ここからパッと思いつくのはたとえば

  • サバの切り身に抹茶粉を振り掛けて焼いたもの。
  • おでんの牛筋と昆布
  • 朝食に納豆と焼き魚
  • ほうれん草とシラスの和え物
  • 山芋とわかめの酢漬け

など、いろいろ出てきそうですね。

逆にタバコなんかを吸っていると、ビタミンCの吸収は阻害されるため、コラーゲンの生成に悪影響を与えます。

セラミドを多く含む食材

セラミドを多く含むのは米、小麦、こんにゃく、豆類、ヒジキ、そばなどです。米小麦は別として、黒い穀類なんかに多く含まれるようです。

特にこんにゃくは他の食材の2倍近くの含有量があり、それがこんにゃく粉ではなく生芋こんにゃくから作られているとなるとさらに5倍近くの含有量があります。

先ほどのコラーゲン系と違っていますね。セラミドは真皮ではなく角質層の成分であるため、摂取するべき栄養素も少し毛色が異なります。

ただ、米小麦から摂取することができることからもわかるように、通常不足する成分ではないようですね。

そもそも保湿成分は不足しているのか

では肌が乾燥している人は保湿成分が不足していることが原因なのでしょうか。

しかし、前述した保湿成分たちはもともとヒトが生きていくうえで必要な成分であり、それは今も昔も変わりません。適正な食事をしていれば不足するものではないのです。

そこで気にしたいのが腸内環境です。というのも、腸はヒトのからだで栄養を吸収する唯一の期間であり、腸が不調である時にはどんなに健康的な食事をしたとしても体へうまく取り入れることができないからです。

なので、何かを突出して摂取しようとするよりは、まずは自分の腸が健康であるかを見てみる必要があります。肌荒れやお通じの乱れ、大腸過敏性症候群、など、すでに症状があるのであればまずはこちらを見直す必要があります。

心当たりのある方はコチラの記事を読んでみてください。

まとめ

今回、肌に分布する保湿成分について一通り調べてみて、やはり世間で言われているところのコラーゲンやセラミドなどは、美しい肌を保つうえでとても大切な成分であることがわかりました。

しかし、それを意図的に摂取するべきかどうかについてはやはり少し疑問符が付きます。

体を構成している細胞たちは、体内で作り出した成分から高度なDNAによって配置されるものです。これを外側からペタペタ縫っても同じ効果を得られるとは考えずらいです。

できることと言えばその材料となりうる栄養を補充することか、表面に油膜を作る程度のこと(これすら本来は体自信が行う作用)、もちろん人間には強い人と弱い人がいますから肌が弱ければいたわるべきでしょう。

しかし、過度なケアは怠ける体を作ってしまい本来持っている自浄機能を低下させてしまうかもしれません。

それより大切なことは体の内の機能のこと、現代では食の乱れ、生活の乱れによって体の内部の機能が低下、それによって表れている肌やその他目に見えるまでに進行した以上は、数え上げればきりがありません。

とくに注目すべきは腸内環境、腸は体の中でも栄養を吸収する唯一の主要器官であり、そのため腸を健康にすることは良い肌を作ることに直結します。

個人的には化粧水は本当に注意して使いたいところです。ヒアルロン酸にしてもコラーゲンにしても本来あるべき場所は皮膚の表面ではないわけです。その吸水性から、空気中の水分ではなく肌の水分を吸い取ってしまうことも理屈でいえば十分考えられる話です。

そのために乳液でフタをしてとやるわけですが、それよりも肌本来の自浄作用をどうやったら高められるのか、もっと根本的で自然的な解決策を見つけたいですね。

 

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