緊張は慣れるは間違い?パニック障害について知る

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緊張は慣れるは間違い?パニック障害について知る

どんなに考えてプレゼンに臨んでも、一度壇上に登れば右も左もわからない。いくら練習を積んでも、試合になると何をしてきたか思い出せない。

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緊張は、ほとんどの人が経験する精神状態です。しかし中には、人前に出ても全然平気、アドリブを混ぜながら面白おかしく話せる人もいますよね。

逆に、知らない人と話すだけでも汗がダラダラ、そんな人もいるかと思います。

過度な緊張は神経をすり減らし、体に大きな負担を与えます。そして限界を超えたとき、体の指示系統は誤作動を起こし始めます。

緊張するようなシーンにいるわけでもないのに、突然、発作的に緊張状態へと移行してしまう、パニック障害という言葉は、意味を知らないまでもどこかで聞いたことがあるという人は、昨今特にに多くなりました。

今回はこのパニック障害について、そしてその根本的な原因となっている、「緊張すること」とどのように向き合っていけばよいかを調べ、考えてみます。

※「ちゃんと●●したか不安になる」、「●●しないと大変なことになる気がする」といった不安は強迫性障害のページを参照してください。

目次

  1. パニック障害とは
    1-1. 心の病というよりは生体的な病
  2. 発症の根本原因、「緊張」を取り除くために
    2-1. 緊張とは
    2-2. 「慣れる」は改善策としては危険
  3. パニック障害の改善を考える
    3-1. 医者にかかるのは要検討
    3-2. 呼吸法によってパニック障害を抑える
  4. まとめ

パニック障害とは

精神障害は昨今になってようやく認知されてきたもので、パニック障害もWHO(世界保健機構)に登録されたのは1992年です。

発症は人口の3%程度と言われています。40人のクラスなら、その中に一人はパニック障害を発症する計算です。自分自身の友達にも3、4人発症した人がいます。

発症は20歳前後の年齢で、女性の発症者数は男性の2倍近くにに上るそうです。

心の病というよりは生体的な病

うつ病や強迫性障害は、本人の思考、ものの考え方による部分が大きいものですが、パニック障害は自律神経の誤作動が引き金となるため、生体的な病気と言えるでしょう。
※自律神経については次章「緊張とは」で解説します。

そのため、薬剤による治療も比較的効果を示すものと思われますが、処方されるのは抗うつ薬です。

発症の根本原因、「緊張」を取り除くために

たとえ薬で良くなったとしても、パニック障害を発症する原因となったような緊張状態になってしまう状況下に身を置けば、再発するのは道理です。そこで一番に考えたいのは「緊張する」という現象について。そして、その緊張は、どのようにして回避するべきなのかを考えてみます。

緊張とは

人には動悸、発汗、呼吸といった生理機能に指示を出す、自律神経という神経があります。この自律神経には2種類のスイッチがあり、興奮しているときに働いている神経を交感神経、リラックスしているときに働いている神経を副交感神経と言います。

緊張とはまさにこの交感神経のスイッチが入っている状態、呼吸が荒くなり、動悸は激しく、発汗を生じます。

この交感神経のスイッチが入った時にどれだけ体が反応するか、どんな環境に身を置けばスイッチが入るのかには個人差があり、つまり緊張しやすい人とそうでない人がいます。

「慣れる」は改善策としては危険

危険なのは慣れ、みなさん経験した、もしくは言われたことがあるのではないでしょうか。緊張するのは何度か経験していれば自然と慣れてくるものだ、と。

単純に緊張に対し免疫をつけるというのであれば、手法としてはアリかもしれません。

しかし、パニック障害と天秤にかけたときに、この方法は体に負担をかけることであり、非常にリスキーな方法です。

すでにパニック障害の症状を発症している場合、大切なのは症状を発症しないラインを増やしていくことであって、症状を発症する環境に長く身を置くことではない、

パニック障害は精神的や思考的なものではないだけに、急激な改善は望めません。2つの改善方法の違いを理解していなければ、慢性化する危険は大きいものです。

パニック障害の改善を考える

大切なのは、自分がどんな条件下で緊張してしまうのかを把握すること。そしてそこにどんな条件がプラスされれば緊張しないのかを考えることです。

たとえば大切なプレゼンがある日。一人でのプレゼンが負担なのであれば仲間と一緒に、ミスをしてもフォローできる状態で臨むこと。パニック障害はとかく「一人」を意識した時に発症しやすい傾向があるように思います。

そして、自分の緊張するラインを見極めたら、そのラインを少しずつ広げていくことです。それは言い換えれば自信を持つこと、自身をつけることです。

医者にかかるのは要検討

精神病は形の見えない病気です。

医者にかかるのであれば必ず2カ所以上でかかることをおすすめします。

なぜなら、精神病は、その精神病ゆえに、正確な判断を自身で下せない可能性が非常に高いからです。複数の視点から、相対的に物事を判断する必要があります。

そして、2つ以上の医者にかかっても、自分の心に抵抗があるのであれば、受診には特に慎重になった方が良いでしょう。

精神病について調べる中で感じるのが、通院して良くなかった、違和感を感じて結局自力で治した、という意見がとても多かった。

精神病は単一の原因がないがゆえに、大衆に対してのマニュアルが非常に狭いものです。

特に一対一でなく、大衆に対しての医療を提供する方針の病院では、言われることはどの患者でもほとんど同じ、身体に異常はありません。規則正しい生活をしてください。発症の原因と思われる場所を遠ざけ、少しずつ近づくようにしてみましょう。薬を飲んで様子を見ましょう。

医者で処方されるのは抗鬱剤、これにも種類があって、ベンゾジアゼピン系、三環系、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とあり、副作用が強いものもあります。

パニック障害は生体的な面も強い症状であるため、薬は有効な手段であると考えられます。しかしそれゆえに、薬に依存するようになってしまう可能性も高いと言えるのです。

根本的なことは「緊張する場面、環境とどのように向き合うか」ということを忘れてはいけません。

もしも医者が、●●しなさい、●●してはいけません、と、断定的な指示ばかりを持ち出してくるようであれば要注意です。精神病はその人ごとに原因は細部にわたって違うのに、そこまで断定してくるのは、マニュアルに沿って対応している可能性が高いからです。

逆に、症状や原因についての丁寧なヒアリング、状況説明があり、あなたにとって必要な時、話したいことがある時に来てくれればそれでいいと、

親身になって、選択肢の一つとして、医療を提供してくれるのであれば、それは精神疾患については特に、正しい医療の使い方だと言えるのではないかと思います。

呼吸法によってパニック障害を抑える

医者や薬を使う前に試してみてほしいことがあります。それは呼吸です。

自律神経は、呼吸、動悸、発汗等の調節機能を司るとお話ししました。逆に言えば、これらの生理機能は自律神経に働きかけるポイントになっているのです。

そこで注目したいのが「呼吸」、発汗や動悸は自身でコントロールすることはできません。しかし、唯一呼吸だけは、自身で意識して調節することができます。

呼吸は、気功やスポーツ、出産の痛みを和らげるラマーズ法など、自律神経に働きかける「手法」として、精神のコントロールに利用されており、当サイトでもその効果に着目しています。

たとえば眠る時、急に興奮して目がさえてしまうことがあるかと思います。そんな時、一度息をピタッと止めてみてください。その時、とても長く息を止めていられることに驚くと思います。

これは、呼吸の回数が普段より増えている、つまり、何らかの原因で交感神経のスイッチが入ってしまい、興奮状態になっていることの証拠なのです。

この時、深くゆっくり呼吸をすると、少しずつ眠りの状態に近づいていくことができます。

電車の中で人ごみにストレスを感じるとき、同じように呼吸法を意識してみてください。人によっては気休め程度にしかならないかもしれませんが、自律神経が落ち着くことを感じることができるはずです。

まとめ

精神病はほかの病気と異なり、排除すべき細菌やウィルス、特定の原因物質は存在しません。自信をつけることや呼吸法についても書きましたが、どれがみなさんにとってベストな方法であるかは変わってきます。

ストレスを感じるのであれば無理はしないでください。

仕事も人間関係も、すべては選択肢のうちの一つ、一歩ひいて見てみれば、もっと広い場所にあなたのベストな選択肢が転がっているかもしれません。

焦らずゆっくりと…

みなさんの生き方を見つける何かの手助けになれば幸いです。

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